オトシモノ~君が零した星屑~


薄情な奴だって、言われるだろうか。


冷めた目で、それが仲間に対する感情か、と言われるだろうか。



「私は、あいつが誇りに思っていた新撰組を、引き継ぐだけの事」



そう呟いた私の脳裏に、あの日の奥沢の微笑が蘇る。


私だって、あいつに死んで欲しくなかった。


でも――――人は、いずれ死んでゆく。


喉が張り付いたような感覚と共に、瞼がカッと熱くなる。


堪えようと空を仰ぐと、皮肉な位に空は明るかった。


・・・・・梅雨なのに、雲一つ無くて。


< 290 / 466 >

この作品をシェア

pagetop