オトシモノ~君が零した星屑~
気まずいまま、虚しい日々は流れるように過ぎて行った。
お互い話さず、お互い干渉せず。
・・・・・ただ、何事も無かったように、ここへ来た当時と同じように暮らしている。
土方が仕事をしている間は、部屋の外で控えていた。
小さく溜息をつきながら、私は稽古で出来た水脹れを、手加減無しに剥いた。
「いっつ・・・・・っ」
手の平に、熱い痛みが走る。
軽く血が滲むのを見下ろしながら、私は膝を抱えた。
蝉がまだ鳴き始めていないものの、屯所は張り切った太陽の光に包まれている。