オトシモノ~君が零した星屑~
ゴシッと目を擦り、私は泉箕から離れる。
痛いくらいに青い、蒼い空は、どこか寂しげに澄んでいた。
・・・・・あの日の。
ううん、今も変わらない、泉箕の目の色と同じだ。
先に走って行く泉箕。
その背中が、腕が、足が――――空へと、静かに近付いているのが、もう目に見えていた。
「泉箕・・・・・私達も、消えたら星になれるのかな」
そんなの、後にならないと分からないか、と頭を振る。
残っていた分の素振りをする為、私はもう一度、隊士の声の響く道場へと向かった。
・・・・・泉箕の、最後の稽古姿を目に焼付けないと、いけないから。