オトシモノ~君が零した星屑~


どうして、笑っていられるんだろう。


どうして、苦しいのを見せずに、ただ冗談だけを言ってられるんだろう。


・・・・・疑問をぶつけても、その答えは既に分かっていた。


――――私の為なんだと、そう分かっていても。


自分に、泉箕がそこまで微笑んでくれるほどの価値は無かった。



いつ消えても可笑しくない。


自分が飽きるほど、もう見たくないと思う位に泉箕を見つめた。


私もすぐに消えるけれど、泉箕の姿を、すぐに見つけられるように。


首にあるほくろ、綺麗な髪、いつも寝癖のある後ろ毛。


ツゥ・・・・・ッと、自分の頬を、温かい何かが伝った。


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