オトシモノ~君が零した星屑~
「まぁ、お前の傷が痛まなければの話だがな。
体慣らしと、気分転換にはなるんじゃないか?」
気分が乗らない私を見て、ニヤリと笑う。
それがまた様になるところが、頂けない。
「・・・・・行く」
体慣らしというのにはどうでもいいのだが、気分転換という言葉に引き寄せられる。
あれを忘れるためなら、行くしかないじゃない。
「そうか、じゃあ少し大きいかもしれないが・・・・・これを着ていけ」
微笑みながら手渡されたのは、普通に男物の着流し。
なぜ、女という事実が発覚した今、男物を着せようとするのか。