あの空に奏でる
♭2♯決意♯
眩しすぎる朝陽は
まるで昨日の彼の事が
全て夢だったかのように
私を照らす。
あれから彼の事ばかり
考えていてボーっとする私に
友達の理沙が話し掛けてきた。
「ねぇ、奏って高校決めた?」
「あーうん。一応。」
「まじ!?どこどこ?」
「北高校の音楽科
受けようかなって思ってる。」
「...すっごーい!!
てか、奏って音楽出来たっけ?」
「授業程度ならね(笑)」
「えーそんなんじゃ、レベル
高いのに受からないよー!」
「そうかも。だけどさ、
挑戦してみたいんだよね。
勉強とか、何すれば良いのか
全然分からないし、
落ちる確率の方が高いけど。」
勿論、この高校に決めた理由は
「彼」の存在があるから。
音楽は好きでも嫌いでもないし
将来コンクールに出たいとか
そういう夢もないけど
新しい事をしてみたかった。
彼への恋が背中を
押してくれる気がするから。
「奏カッコイイー!!
理沙はね、西高校だよー。
お互い頑張ろうね!」
「うんっ!」
よーし!今日は本屋で
音楽系の本でも買ってみよう。
少しでも彼に近づけるように。