あの空に奏でる
準備に時間が掛かりすぎて

少ししか勉強できなかったな。

駅に向かう最中、本を

読みながら後悔する。

...すると私の目に

彼が映った。

何してるんだろう?

話し掛けてみようかな。

いや、ウザイとか

思われたら嫌だ!

でも、話し掛けたいな。

しばらく見つめていたら

彼と目が合ってしまった。

すると、彼が小走りで

こっちに向かって来ている。

少し息を切らしながら

「この間は、
ありがとうございました。」

と言ったのは

間違えなくこの間の彼で

顔が熱くなる。

「いえ、大丈夫です。」

「あ!その本!」

私が持っている本を指差し

彼が驚く。

「私、北高校の
音楽科を受けようかと
思ってて。」

「偶然だね!僕も。」

本当は、偶然じゃ

無いんです!!なんて

絶対に言えない。

返答に困る私に彼が

1枚の紙を差し出した。

すると彼は少し急いで

駅へと向かっていった。

何だろう...?

あ!!時間がー!!!

理沙に怒られちゃう!

貰った紙をズボンの

ポケットにしまい

私は全力で走った。





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