雨が降る日は誰か死ぬ
「でもさぁ、原因不明のときって、だいたい心臓麻痺で片付けられるんでしょ?

奈津のときも、最初は心臓麻痺って言われてて、家族が調べてもらったら、溺死だったって」


亜衣がこの前の話を引き合いに出した。



「溺死? 奈津って溺死だったの!?」


聖良が目を丸くする。



「うん。あれ、言ってなかったっけ?」



そういえばあの日、奈津の家で聞いた話を、亜衣はかすみにしかしていなかった。



「うん。っていうか、ころもは何で知ってるの?」


聖良が不思議そうな顔をする。


そういえば、茜と奈津の家に行ったことも、亜衣はかすみにしか言ってなかったのだった。
< 104 / 612 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop