雨が降る日は誰か死ぬ
車は助手席側を下にして、斜めに止まっている。


運転席側の女性は、ぐったりしてどうやら気を失っているらしい。


橋本は慌てた。



助手席にいる人が、顔まで水没したまま、必死で手をバタつかせてもがいているのだ。



「おい! 大変だ! 溺れてるぞ!」


橋本は片足を車に乗せると、運転席側のドアを開けようとした。
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