雨が降る日は誰か死ぬ
「え~~~~」


亜衣は顔を歪めて文句を言った。


「じゃあスーパーに行って買ってくればいいじゃない。まだ間に合うから」


亜衣の不安な気持ちを知らない美紗子はそう言って笑う。


ところが亜衣は、そう言われた瞬間、速攻でアラビアータを諦めた。


だって、雨の中外に出たくないのだ。


雨の中出かけて行くと、死んじゃうかもしれないって思っているのに、そんな危険を冒してまで、食べたいわけではないのだから……。


「いいよいいよ。全然カルボナーラでOKだよ」


亜衣は顔を引き攣らせながら言った。
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