雨が降る日は誰か死ぬ
「早くお風呂に入ってらっしゃい。風邪をひいちゃうわ」



「うん」


母に言われて頷いた孝之が、亜衣の方を向く。


「じゃあ姉ちゃん、久しぶりに一緒に入ろうか?」



「えっ!?」


ニヤッと笑った弟に、亜衣は一瞬ドキッとした。



「バカ! 入るわけないでしょ!」



「何だよ~。見られて恥ずかしいほど、大してナイスバディなわけでもないだろ」


孝之はニヤッと笑う。



「うるさい! 死ね。バカ!」


亜衣は怒鳴りながら、今は冗談でも、死ねっていうのはどうかな? と、ふと思った。
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