雨が降る日は誰か死ぬ
突然家の外で女の子の悲鳴が聞こえたものだから、夕食の後、一家団欒でテレビを観ていた山岡家の人たちは目を丸くして、顔を見合わせた。



「ちょっと見てくる」


長男の勇作が外に向かうのに続いて、元来野次馬精神旺盛な全員が後を追った。



外は大雨。


少し先の道の真ん中に、自転車が二台倒れていて、女子校生らしき子がいるのが見える。


一人は仰向けに倒れたまま動かず、もう一人は座り込んで頭を抱えていた。



「おい! 何があった?」



「イヤぁああああああああ」


勇作が座り込んでいる子に話しかけると、女の子は勇作を見た途端、また悲鳴を上げ、頭を抱え込んでガタガタと震えた。
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