雨が降る日は誰か死ぬ
結局、警察が現場に来るまで、少女はその場から動かなかった。



よほどショックを受けることがあったのだろう。


何を言っても、何を聞いても、上の空のままでブツブツと何かを呟き続けていると思ったら、

突然悲鳴を上げて震えだすというのを繰り返すのだから、

正直勇作も、下手に関わらないほうが良いと思って、無理強いはしなかったのだ。


降りしきる雨の中、いったいこの少女たちに何があったのか気になって仕方ないから、


警察の事情聴取のときも、勇作は少女の近くにいたけど、

少女は警察官に何を聞かれても、やはりブツブツと何かを呟くだけで、まともに答えることはなかった。
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