雨が降る日は誰か死ぬ
教室を出た山本は、送って出てくれた西山に向かって振り向いた。


「先生」


「はい」



「ちょっと二人だけでお話しがあるんですけど」


山本の顔が神妙だったので、西山の背筋がゾクッとした。


さっき返事を濁したのは、本当はかなりヤバいことがあるのではないのか?


西山はそう思った。



「それはいったい……」



「いえ、生徒さんの目のないところが良いので、どこかありませんか?」


「そうですね……。じゃあちょっと待ってください」


西山は山本にそう言うと、いったん教室に戻ってホームルームを終了させた。
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