雨が降る日は誰か死ぬ
「今から追いかけても、どこにいったのか分からないよ」


茜はサイレンの鳴るほうに目を向けるけど、すでに影も形もなく、音が聞こえるだけである。


「そりゃそうだけど、だって気になるじゃん」


「それにショコラだっているんだし、あんまり遠くには連れて行けないでしょ?」



「う……うん」


口を尖らせる妹を、茜はなだめて諦めさせた。

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