雨が降る日は誰か死ぬ
「お姉ちゃん!」


桜は大声で叫んだ。


すぐに助け上げないと、お姉ちゃんが死んじゃう。


そう思うのに、足がすくんで動かない。



(行かなきゃ! 行かなきゃお姉ちゃんが……)



頭ではそう思うのに、どうしても身体が動かないのだ。



「大丈夫か!」


騒ぎを聞きつけた通りがかりの人たちが、次々と駆けつけてくれた。

< 379 / 612 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop