雨が降る日は誰か死ぬ
『そんなこと今言われたって、無理ですよ!』



「な、何でだ?」



『もう学校に向かってますけど、ここからじゃまだ30分以上かかりますから』



「え? じゃあ間に合うんじゃないの?」



『何言ってるんですか!? 今日の練習10時からでしょ? 1時間前ならもう学校に着いてないと』



「ああ……そうか、そりゃそうだな」


西山はやっと意味が分かった。そういえば丸山は部活に出てくるんだった。


今更迎えに行こうにも、すでに自宅を出ている。


「すまんすまん。そりゃあ悪かった。じゃあ気をつけて来るようにな」


西山は愛の安全を願って電話を切った。

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