雨が降る日は誰か死ぬ
「すごいね。ダムみたいになってるんだココ」


コンクリートで固められた堤防の上に上がると、最初に亜理沙が声をあげた。


なんと湖の反対側はコンクリートの斜面で、かなりの高さがあるから、まさにダムである。


ずっと下に川が流れていて、目が眩んだ。



「高いねココ。落ちたら死んじゃうね」


「うん。身体がすくんじゃうよ」



「本当だね」


下を眺めながら身震いした茜に、奈津が答えた。

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