雨が降る日は誰か死ぬ
「何なのよこの雨」


奈津がバッグからタオルを取り出して、髪の毛を拭く。



「でもさぁ、逆に良かったじゃん」


親友の茜が、タオルを取り出しながら言った。



「え?」



「だって、雨が降ってないのに、みんなびしょ濡れで帰ってたら、絶対先生に何してたんだって、怒られてたよ」



「それはそうだね」


奈津が頷く。


「これが本当の怪我の功名かな?」


横にいた由真がニヤッと笑う。



「それはちょっと違うと思うけど」


茜が笑った。

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