雨が降る日は誰か死ぬ
「普通の幽霊って言うと、表現がおかしいけど……でもね。

普通は場所に憑いたり、人に憑いたりするのに、今回はそんなふうでもないし、

今までに私が見てきたり感じたものとは明らかに違うから、絶対に普通の幽霊じゃないと思うの」


「で、神様?」


西山が眉をよせる。



「ええ、そうです。でもねぇ、みなさんそんな顔をされてるけど、逆に神様の祟りのほうが、幽霊なんかよりはるかに怖いのよ」


山本が視線を西山から生徒たちに移したから、聞いている生徒たちは一瞬緊張した。


心の中で「えっ、神様?」と少しバカにしたのに釘を刺されたような気がしたのだ。

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