雨が降る日は誰か死ぬ
『パシィ!!』


愛の平手が佑香の頬を叩いた。



「な、何すんのよ!」


佑香が目を見開いて睨む。



「桃香のことそんなふうに言わないでやって」



「何よ! 本当のことでしょ。アンタだって前に、男の子が好きなのに、桃香に好かれて迷惑だって言ってたじゃない」



「言ってないよ」



「嘘!」



「嘘じゃない。確かに女の子に興味はないけど、桃香のことを迷惑だとか鬱陶しいとか思ったことは一度もないし、ましてや変態だとか頭がおかしいだなんて、絶対に思ったりしないよ」


愛は佑香に向かって泣きそうな顔でしゃべった。
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