雨が降る日は誰か死ぬ
「オマエの気持ちは分かる。だけど丸山を殴っても何の解決にもならないだろう」


「うるさい! 放せ!」



「もう止めてよ佑香」
「そうよ止めて」
「もう止めようよ」

亜衣が口を開くと、次々とみんながなだめようと声をかける。



「うるさい! アンタたちは殺されないからそんなことが言えるのよ! 私の立場だったら呑気にそんなこと言えないでしょ!」


そう言われると、みんなは何も言い返せない。



「すまん岸川。あのときオマエらだけで薪を拾いに行かせた俺の責任だ」


西山は佑香が暴れないように、その身体を抱きかかえながら謝罪した。

< 460 / 612 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop