雨が降る日は誰か死ぬ
でも、気がついた。


ひざの上で組まれたラブの手が、小刻みに震えていて、桃花がその手を包むように握っている。


怖いんだ。ラブは怖くて仕方ないんだ。


それはそうだろう。一緒に行動したみんなが死んで、もうすぐ自分の番がやってくるのだ。


怖くないはずがない。


さっきまで気丈に振舞っていたから、気がつかなかったけど、亜衣だったら、とても耐え切れないだろう。


それこそさっきの佑香みたいになるに違いない。なのにラブは、その佑香に謝ったりして……


何とかしてラブのことを助けてあげたい。


亜衣は心からそう思った。

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