雨が降る日は誰か死ぬ
「そうねぇ……」


桃花に振られた山本は、あからさまに返事に詰まったのが分かる。


それはそうだろう。


霊能者とはいえ、本人が過去に経験したことがない感覚と言っているモノを相手にするのだ。


普通の幽霊を除霊するのとは訳が違うということは、素人の亜衣にだって簡単に分かる。



「とにかくその祭壇らしきものを見てみないと……」


山本は語尾を濁した。

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