雨が降る日は誰か死ぬ
「そうこうしながらも工事は続けられていってたんだけど、あるときを境にピタッと事故が起こらなくなったんですって」



華はまた言葉を切ったけど、みんな黙ったままで次の言葉を待った。



「その理由がここに書かれているの」



そう言って華は、カバンの中に入っていた日記帳のような物を座卓の上に置く。


「でもねぇ、申し訳ないんだけど、私は二度とこの中身を見たくないの。だからアナタたちだけで、勝手に見てちょうだい」


華はそう言うと、立ち上がり奥の部屋に消えていった。

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