雨が降る日は誰か死ぬ
ダム湖の工事と一口に言っても、実は四段階に分かれていて、四ヶ所に高さ15m幅50mほどの水門付き堤防を作るのだ。


普段はこの堤防の水門を解放しておき、雨が集中的に降ったときに水門を閉じて水を溜め、

雨が止んで、河口が干潮になっているときに、溜まった水を放流するという仕組みらしい。


二年ほどの工期で出来るだろうという当初の思惑は外れ、すでに工事は三年目に突入していた。


理由はもちろん、事故が相次いだことと、竜神の祟りという噂が蔓延したために、作業員が激減したためである。

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