雨が降る日は誰か死ぬ
「いいかよく聞け!」


「はい」


「そうでなくても竜神の崇りだなんだと噂が立って、工事が遅れてるんだ。

女の子の声なんて怪奇噺が上がったら、ますます作業員の指揮がさがるだろうが!

もし声が聞こえたなんて言いふらしたら、オマエはクビにするからな!」


「は、は、はい」


健作は頷いた。確かに所長の言うとおりである。それにクビにされると、妹と二人で路頭に迷うことになってしまう。


でも……


気になって仕方ないのも事実だった。

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