雨が降る日は誰か死ぬ
「じゃあ誰かがどこかで水を汲んできて、奈津を溺れさせたってこと?」



「そう思ったんだけど、警察が言うには、まったく争った形跡が無いって」



「でも……」


「丁度通勤時間で、人通りも多かったけど、不審人物を見た者もいないって」



「ちゃんと調べてくれたの?」



「いや、それは分からないけど、仮に通り魔がいたとして、溺死させるなら、それなりの量の水を運んでこなきゃならないから、

一般的な通り魔事件で、そこまでやる犯人はいないだろうって」


奈津の父は首を横に振った。

< 51 / 612 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop