雨が降る日は誰か死ぬ
「そしたら夜中に出たらしい」



「出たって、何がですか?」



「村長たちや、政治家の先生の枕元に竜の化身が現れて、川に穴を掘って祭壇を作り、毎月の月初めに生娘を捧げれば、その月は怒りを鎮めてやると言ったらしい」



「そんなバカな」


そんなことがあるはずがないと、健作は少し呆れた。



「一人だけなら、夢で終わったかもしれないが、お偉いさんたちが全員見たんだ。そしてすぐに命令がくだされた。

人目につかないように最上流に穴を掘り、祭壇を作り、そして……俺たちは女の子を誘拐して、生きたままその穴に放り込んだんだ」


その瞬間だけは、山田はイヤそうな顔をした。
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