雨が降る日は誰か死ぬ
「事実、生贄を始めてから、事故はまったくなくなった。そして工事もまもなく終わる」


山田の視線がまた健作に戻されて、健作はツバを飲み込んだ。



「あの子を今夜日付が変わったら、あの祭壇に奉納する。そうすれば、来月のあと一人で、一年分12人の生贄が納められるんだ。そうすればようやく俺たちは、このイヤな仕事から解放される」


「でも……こんなの間違ってると思いませんか……」



健作は泣きそうな顔で呟いた。


「いいか健作、よく聞け」


今まで黙っていた幸徳が口を開いた。

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