雨が降る日は誰か死ぬ
なぜなら、嬉しそうにニヤリと笑って差し出してきた幽霊の手が、そのまま窓ガラスを突き抜けて来たのだから……。



「ひぃいいいいい」


愛が悲鳴と共にしがみついて来た。



「逃げようラブ!」


桃花は愛の肩に手をかけて、立ち上がらせようとする。



「ほら立って」


何とか愛を立たせようとしたとき、愛の目が桃花の背後に向かって大きく見開かれた。

< 586 / 612 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop