雨が降る日は誰か死ぬ
と、同時に……


桃花の肩越しに、大量の水が押し寄せる。


桃花は驚いて振り返った。


ところがそこには幽霊の姿はない。




取って返した視線の先に、愛の顔を包み込んだ水のカタマリがあった。


苦しそうにもがく愛。


「ラブ!」


桃花は急いでその水のカタマリを掃おうとする。


ところが掃っても掃っても、掃いきれない水が、どんどん愛の口の中に流れ込んでいく。
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