雨が降る日は誰か死ぬ
「お婆ちゃん見た? 今、竜がいたよね?」


「竜?」


呆然と立ち尽くしている祖母に聞いたけど、不思議そうな顔をされてしまった。


どうやらアレが見えたのは、亜衣だけだったらしい。


「急ごう」



西山に促されて、また小走りで車を目指す。


その間にも、ゲリラ豪雨のような雨は、ますます激しさを増していった。

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