雨が降る日は誰か死ぬ
思い返せばあの時……。


死んでしまった彼女たちに、薪を取りに行くように命じなければ、こんなことにはならなかったのである。


よくよく考えれば、あの時生徒の一人が言ったように、他の班の薪を分けても、充分足りただろう。


なのに、ペナルティを与えようとして軽く下した判断が、今更ながら悔やまれてならなかった。


西山はテレビを消し、必要な物を持つと、避難所に戻るために腰をあげる。

ドアの外は今尚止まぬ雨。


西山はレインコートを着込むと、外に出て鍵をかけた。

< 595 / 612 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop