雨が降る日は誰か死ぬ
階段を降り切る前に足が水の中に埋まる。


そのまま段々と身体が水の中に浸かり、地面に降り立つと腰の位置まで浸かっていた。


西山は手に持った荷物が濡れないように、肩に担いで傘をさす。


身体はレインコートで守られているけど、ウエイダーではないから、結局パンツまで濡れている状態だった。


避難所を目指しながら歩き始めたが、腰まで水に使っているから、中々進まない。

この辺りは用水路沿いの道なのだけど、全てが水没しているから道路と用水路の境界が分からなくて危険だったりする。


そう思うと、少し慎重になり過ぎてしまって、ますますゆっくりになってしまった。

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