雨が降る日は誰か死ぬ
それにしてもこの雨はいつまで続くのだろう?


もしかしたら、あの祭壇に、最後の生贄であるトヨさんを封印した日から、

今までに降る筈だったのに抑えられていた雨が、全て降りつくすまで止まないのかもしれない……。


それってどれくらいの量なのだろう?


亜衣にはまったく見当がつかなかった。


「え?」


ふと視線を向けた校門に、数人の人影が確認出来る。


ゆっくりと校庭に入って来る女の子の一団。

そのうち数人は亜衣の通う朋星女子学園高校の制服を着ている。


「嘘……」


亜衣はその数を数えた。


制服の少女は7人いて、ゆっくりと歩きながら近づいてくるのは、全部で12人。


青紫色の顔が、亜衣のいる二階の教室を一斉に見上げた。


「嘘っ……。ルカ……。優希……。美咲……。由真に梓……」


亜衣の背筋に冷たいものが走る。



「え?」


冷たいものが落ちてきて、亜衣は天井を見上げた。


大きな染みが出来たジプトーン張りの天井から、水滴が垂れている……。


その染みがだんだんと大きくなり、垂れてくる水が徐々にその量を増やし始めた。









「ぃゃぁああああああああああああああああああああ」






end ご愛読有り難うございました。

後書きに続く

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