サヨナラ 大好きな人【完】
弟
「…ぇ?」
あたしは新木君に抱きしめられた。
「僕と付き合って?」
來と似た瞳であたしを真剣に見つめる
「ごめんなさいっ…あたし…來じゃなきゃダメなの…來じゃなきゃ嫌だの」
泣きじゃくるあたしに新木君は
頭を優しくなでなでしてくれた。
來とは違う、もう一つの暖かい手のようだ。
「じゃぁさ、連絡はとれるようにしよ?」
新木君は携帯をポケットから出し、言った
「う、ん」
あたしは視界がはっきりしないまま新木君に携帯を差し出した。
「家まで送ろうか?」
「ううん、大丈夫、ありがとう」
あたしは一言お礼を言い、ふらふらしてる足で必死に帰った。