サヨナラ 大好きな人【完】
でも、それは仕方のないこと
そうだと思っていても
「今は...そういうの...いいから...っ」
好きでもない相手と付き合うなんて
あたしには、できないよ
「何言ってんの?」
おそるおそる言ったあたしとは違い
來はさっき同様
冷たく、低い声であたしに言葉を返した
「___」
それに黙ることしかできない自分
「お前は好きでもない奴と付き合えるだろ?」
なに、言って
「実際俺とだってそうじゃねぇか、お前は俺を_」
來は我に返ったからなのか
そこで言葉を切った
「な、に?」
「何もねぇ、帰れ」
そう言ってあたしの体を強く押す
「ら...っ」
名前を呼びたくても呼べない
だって、無理だよ
あんな一人で泣いているような顔をされたら
「呼ぶな、早く帰れ」