サヨナラ 大好きな人【完】

「來っ!!」


「なんて...かお...し、てんだ?」


必死に微笑みながらあたしに語りかけ


來の手が頬に触れた


「ごめんなさいっあたしのせいで...っ」


「い、み...わ、かんね」


「あたしのせいで來が...グズッ」


「ひさし、ぶり」


「え...?」


「なま...え」


「ごめんなさい」


「俺...ずっと、あゆの声...聞きたかった」


「うん...っ」


昔と変わらず、來があたしの名前を言うと胸がホッとした


優しい声だった


「ずっと...俺の、名前...呼んでほしかった」


その言葉が嬉しすぎてさっきよりも涙があふれてきた。


すっぱくて、塩水のようだった。
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