イケナイ個別レッスン【TABOO】
 稽古場で一人、自主練をする。

「おはよう」
 がらりとドアを開けて主宰が部屋に一歩足を踏み入れた瞬間、部屋の空気がぴんと張りつめる。主宰はそのくらい存在感があって、素敵で、尊敬すべき人だった。
 でも、私には高嶺の花だわ。最近では、テレビの仕事も引き受けることが徐々に増え、ファンも爆発的に増えている。

 しばらく台本を詰め、台詞読みの稽古にも付き合ってもらった。
 それでも、主宰は眉間に皺を寄せたままだ。
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