【TABOO】本棚の向こう側
貴弘くんが、にやっ、と色っぽい笑みを浮かべた。
「じゃあ、さ。俺と遊ぼう?」
貴弘くんは、あたしの手を引いて本棚と本棚の間に立たせた。
「そこから、本を探してる彼氏の背中が見える?」
……見える。
「そのまま、彼氏を見ててね」
貴弘くんが、ぎゅっとあたしを抱きしめた。
「ちょっ……」
「……図書館では静かにね?」
「あ、ハイ……」
小さく笑った貴弘くんが、あたしの首筋に顔を埋めた。
ふっ、と息をかけられた。
「……やっ……」
「彼氏がこっちを向いちゃうよ? いいの?」
……だめ……!
お願い、そのまま、本に集中していて……!
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