lave letter for YOU
彼は私が落ち着くまで、私の背を撫でてくれていました。

その時、私は彼を他人事のように気丈な人だと思いました。

彼は隆の幼馴染です。

私よりも隆との思い出がある分、彼のほうが辛いと思うのに、彼は決して人前では涙を流しませんでした。

彼は私が落ち着いたのを見計らって、隆の前まで連れて行ってくれました。

隆までの距離はほんの十数メートルだというのに、私には何千メートルにも思いました。

まず目に入ってきたのは遺影です。

遺影に使われたのは、初めての文化祭の時一緒に撮った写真でした。

それを見てまた私の目から涙があふれ出てきました。

彼はしゃがんで隆の名を優しく呼びました。

つられて私もそちらへ目をやると




隆がいました。




ただ目を閉じているだけの妙に色白で、出会ったころとは見違えるほど痩せた隆がいました。

彼は私に場所を譲って、そっと傍に立ってくれました。

私は彼がしていたようにしゃがんで隆の名を呼びました。

あの頃のように応えてはくれなかったけれど、隆の名を口にした瞬間、

隆を好きだった気持ちがあふれて、

あの頃の記憶が蘇ってきて、狂ったように隆の名を呼び続けました。

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