桜の咲く季節に

卒業式が終わった後、私は渡り廊下で空を眺めていた。
もうほとんどの卒業生が帰っただろう。
もしかしたら残っているのは私だけかも。


卒業とはあっけないものだ。
ついこの間3年生になった気がするのに、自分はもう卒業してしまった身だ。
あれ、3月いっぱいまで中学生扱いなんだっけ?
……どっちでもいーや。


4月になったらまた代わり映えのない日々を過ごすのだろう。


彼のいない日常に慣れることはできるのだろうか。


彼が他の進学校に行くと聞いたのは、いつだったか。
離れ離れになる。
だけど、会おうと思えば会える距離だ。


でも、毎日会うことができた。
話すことができただけでその日1日を幸せに感じることができたし、彼とすれ違うだけでも緊張した。


そんな毎日はもうないのだ。


私はどうしたかったのだろう。
こんな所でうじうじと悩んでいる自分に嫌気が差す。


同じ学校に進めば良かった?
それで何か変わった?


それとも……








告白すれば何か変わった?
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