桜の咲く季節に
思い浮かんだ言葉に胸がドクンと鳴ったのがわかった。
少し苦しくなって、視線を下げた。
視線の先には靴箱があって、その前には桜が咲いていた。
まだ満開ではないけど、きっともう少し暖かくなれば桜が舞い始めるだろう。

告白することを考えなかったわけではない。
でも自分が告白するということが妙に不自然に思えた。
きっと、勇気がなかったから。

今ならどうなのだろう。
私が彼に想いを伝えたら彼はどんな風に思うのだろう。





桜の木のそばに誰かいた。
誰かなんて気づいていた。
だって、3年間見てきたもの。

私は気づけば走り出していた。

何て言ったらいいんだろう。

もしかしたら桜の木のそばから離れてしまっているかも。

そうしたら探そう。

このままじゃ嫌なのは私だ。

わからないけれど、私が伝えたいことを伝えてみよう。

ドキドキする。

走ってるから?

ワクワクする。

ちょっと違うかも。

苦しいけど、嫌じゃない。

きっと後悔なんてしない。

もうすぐ、


もうすぐ、私は──────
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