眠れる森の
第3章
どっちが誘ったのか自覚もないsideあさひ
「郁都?」
明かりのついた家に帰宅したのに、何の音もしない。
父と義母がそろって出かけるので、『夕食を頼む』とメールがあったので、家にいるのは郁都だけのはずだ。
部屋をのぞくとうたたねしてる。
郁都と会ったのは、あさひが中3、郁都が小6。
小学生の癖に大人びた目をしていた。
「お姉ちゃんって呼んでね。」
と言ったのに一度も呼んでくれることはない。
距離をおかれているようなのに、拒絶されているわけでもない。
雪の日。
大幅にバスの時間が遅れ、帰りが夜遅くになったことがあった。
バス停に降り立つと郁都が待っていて、驚いた。
無表情な顔であさひの姿を認めると前に立って歩き出した。
あさひがくしゃみをすると自分のマフラーをぐるぐるとまいてきた。
後で義母に聞いた。
大雪に彼女を置いてさっさと帰ったせいでふられたと。
「そういうときはきちんと送ってあげなきゃねえ。気がきかないったら。」
義母は苦笑していたが、あさひは落ち着かなかった。
明かりのついた家に帰宅したのに、何の音もしない。
父と義母がそろって出かけるので、『夕食を頼む』とメールがあったので、家にいるのは郁都だけのはずだ。
部屋をのぞくとうたたねしてる。
郁都と会ったのは、あさひが中3、郁都が小6。
小学生の癖に大人びた目をしていた。
「お姉ちゃんって呼んでね。」
と言ったのに一度も呼んでくれることはない。
距離をおかれているようなのに、拒絶されているわけでもない。
雪の日。
大幅にバスの時間が遅れ、帰りが夜遅くになったことがあった。
バス停に降り立つと郁都が待っていて、驚いた。
無表情な顔であさひの姿を認めると前に立って歩き出した。
あさひがくしゃみをすると自分のマフラーをぐるぐるとまいてきた。
後で義母に聞いた。
大雪に彼女を置いてさっさと帰ったせいでふられたと。
「そういうときはきちんと送ってあげなきゃねえ。気がきかないったら。」
義母は苦笑していたが、あさひは落ち着かなかった。