それでも、愛していいですか。

「そんなの、気を遣わなくてよかったのに」

「うん……ごめんね」

「……で、どうだった?」

すると加菜は頼りなげに微笑み。

「うん。告白してからも二人でご飯食べることもあるんだけどね。ちゃんとした返事はもらってないんだよね……」

「そっか……」

加菜は不安げにしているが。

今でも二人で出かけているということは、いくら誰にでも優しいとはいえ孝太郎もまんざらではないのだろう。

複雑な気分だった。

自分から孝太郎を遠ざけたのに、他の誰かのものになってしまうのかも、と思うと少し寂しい。

彼を縛りつける権利なんて、私にはないのに。

少しだけ、嫉妬してしまった。

仕事も手に入れ、恋にも前向きな加菜に。

それに引き替え、私はどうだ。

進路は未定。恋なんて、スタートすら切れていない。

前進どころか、立ちすくんでいるだけだ。

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