それでも、愛していいですか。
「別に取って食いやしないよ」
奈緒の視線に気づいたのか、そう言って優しく微笑んだ。
「行きつけのバーに行くだけ」
「バー?あ、それで年齢を聞いたんですか?」
奈緒がそう言うと、君島は大きくうなずきながら笑った。
「そうそう。これでも僕一応、教育者だからね」
「教育者ならこんな時間に学生をバーには連れて行かないんじゃないですか?」
奈緒の非常に常識的な返答に、君島は一瞬目を見開き。
「あははははは。確かに」
あっけらかんと笑った。