それでも、愛していいですか。
しばらく走ると、ネオンの明かりで眩しいA町3丁目に着いた。
見るからに大人の街。
ふと空を見上げると、ぼやけてなにも見えなかった。
この街は、まだまだ眠らない。
「もうすぐそこだから」
そう言って君島は歩き出した。
すると、すれ違う派手な服を着た女性たちが君島に視線を送っているのがわかった。
こういう光景を目の当たりにするたびに、君島先生がいかにイケメンであるかを思い知らされる。
そして、そのイケメンの隣りにいるのがこの子供じみた私なのだから、あの人たちは尚更納得いかないのだろうな、と思った。
そんなことを考えながら後をついて歩いていると、突然君島にぎゅっと手を握られ。
「怖くないからね」
にっこりと笑った君島の笑顔に、ドキッとしてしまった。