それでも、愛していいですか。
その後、他愛もない会話と料理を楽しみ、一段落したところで孝太郎が少し席を外した途端。
「ちょっと!奈緒!!すごく格好いいじゃない!孝太郎くん!!」
「そ、そお?」
「そお?じゃないよ。びっくりよ。爽やかで優しくて最高じゃない!!なんで、そんな冷静なのよっ」
「だってぇ。兄弟みたいなものだからさぁ。男として見たことないし」
「それに!あんなイケメンと同じアパートってどういうことよ!」
「知らないよ、私だって。突然来たんだもん」
すると、加菜は急に真顔になり、
「……ねぇ。それって、ただの偶然かな?」
と首を傾げた。
「偶然でしょ」
「実は、奈緒のことを狙って同じアパートにしたんじゃない?」
「ないないないない。さっき言ってたじゃない。年上の人とつき合ってたって。向こうも私に恋愛感情なんてないよ」
「そうなのかなぁ」
加菜は納得いかない顔をしている。
「そうだよ」