それでも、愛していいですか。
帰り道
「まだ、少し冷えるね」
そう言いながら孝太郎は腕を組んだ。
「そうだね。ちょっと油断すると風邪ひいちゃうよね。季節の変わり目って」
加菜は自分の腕をさすっている。
「加菜ちゃん、寒い?」
「うん、ちょっと。今日は初めての人に会うからね、かわいい服が良かったんだぁ。そしたら薄手の服になっちゃった」
加菜が照れながらそう言うと、孝太郎は、
「ははは。オシャレしてきてくれたんだ。そういうの嬉しい」
と爽やかに笑いながら、自分のジャケットを脱いで加菜に着せた。
「あ、ありがと……」
ジャケットから、孝太郎の体温が伝わってくる。
加菜は自分の顔が赤くなっているのがわかって、うつむいた。
「孝太郎くん寒くない?」
「俺は丈夫だから」